11月26日、初山、平地区の農家3軒を約30名(スタッフ含め)で巡りました。今回は、学区がコース内にある平中学校の5名も参加、地域学習として一緒に歩きました。
初山バス停に集合し、参加者がそれぞれ住んでいる町と名前を話す自己紹介をし、元気にスタートしました。
400年続く農家。露地栽培で自身も70年以上畑を耕し続ける
1軒目の訪問先は小金井睦雄さん。初山バス停から南西に緩い坂道を進んでいきます。竹林が残る大きな家や畑が広がり、この地に農が残っていることを感じつつ、大規模に宅地に転換されるであろう現場もありました。小金井さんは家の前で到着を待っていてくれました。
家の奥に広がる畑を見学。「私はここで生まれ、83歳になります。400年続く農家です。子どもの頃からもう70年以上野菜を作っていますよ」と笑顔の小金井さん。畑にはハクサイ、ニンジン、ネギ、ダイコンなどが見事に育っていました。売り先をお聞きすると「平間にある八百屋さんがほぼ毎日仕入れに来てくれています。うちのほかに何軒か回って“川崎産の野菜”として売ってくれています」と。
自分で野菜を作っている人や、学校畑で野菜を作っている平中学校の先生から「タネまきはいつですか?」など栽培の質問もたくさん出て、ひとつひとつ丁寧に答えてくださいました。
小金井さんは、神奈川県の無形民俗文化財に指定されている「初山獅子舞保存会」会長代行も務めておられ、畑見学の後に初山自治会館、初山十王堂にご案内いただきました。参加者からは初山の獅子舞についても質問が出て、これにも丁寧にお答えいただきました。
*初山の獅子舞に関しては宮前区HPに公開されています
https://www.city.kawasaki.jp/miyamae/page/0000152364.html
施設栽培と露地栽培を併用。施設ではトマトとキュウリを「樽栽培」で安定栽培
小金井さんの畑から、坂を下り、交通量が多いバス通りに出て「緑地」交差点を渡り、平瀬川沿いに北側に上り、2軒目「松井農園」に。園主の松井秋彦さんにお話しを伺いました。
最初は、施設で「樽栽培」でトマトを栽培するハウスに案内してもらいました。「樽栽培」はピートモスなどで調整された樽の中に自動で水や肥料が入る仕組み。病気になった時に、樽ごと替えればよく、土続きより病気に対応がしやすいとのこと。ハウス内の室温もコントロールされていました。青いトマトが実っていて「年末には赤いトマトになって出荷できるよ」と松井秋彦さん。
「道に出てつきあたりのハウスの前で待っていて」と松井さんに言われて進むとこちらのハウスにはきゅうりがこれも樽栽培で収穫を待つほどに成長していました。
1つの苗からきゅうりは50本くらいとれ、苗は1500本あるとのこと。「セレサモス宮前店に“松井秋彦”で出しています」と。
真夏には露地栽培もしながら、キュウリ、トマトは品評会でいつも受賞されています。松井農園は、年間通して安定的にキュウリ、トマトを作る川崎の農家のエースの一人です。
また、松井さんは、小金井さんと一緒に「初山の獅子舞保存会」で舞の指導をし、活動も続けています。
両親が作った花苗を売り、焼き菓子、カフェも併設した「街ノ停留所」をオープン!
3軒目の訪問先は10月16日にオープンした「やまだ花園・街ノ停留所」。やまだ花園は、自宅近くのハウスで、花苗やいちぢくなどを栽培し、自宅敷地内の「花ノ停留所」で販売をしてきました。「両親が作った苗を買いにくる人たちは、花苗を買いながらここで話をすることが楽しみで来ていることに気がついたんです」と長男の山田佳一朗さん。
そこで新たにまちの人たちが停留できる場として誕生した「街ノ停留所」。姉妹で菅生に工房を持ち、通販を中心に販売を続けてきた焼き菓子店「めぐみ焼菓子店」が店舗を持ち、パン工房も併設。やまだ花園で栽培されたいちぢくを使ったジャムも販売しています。
花苗を販売するエリアでは、日替わりシェフによるランチを提供するスペースもあり、まさに地域のあたたかな居場所が誕生していました。
今回は初のオプション企画として、希望者に有料でやまだ花園の苗を使った寄せ植えワークショップを開催しました。オーナーの山田真由美さんのご指導のもと、自分で好きな花苗3つを選び寄せ植えをしました。「どの花を組み合わせる?」「センスいいですね」などと話しながらなごやかでほっとする時間を過ごすことができました。